徒然ブス

ブスが何かを思う

ask.fmの「ケツノさんのMVアワード2015、ただしアーティストのビジュアルではなく映像美や世界観という点で、トップ5までお答えください」に答えました。

師走ですね。2015年をまとめないといけない時期に入ったんですね。いやーこわいこわい。またアイドルばっか見て何も得ず1年が終わります。今年よかったMV、さくさくいきます。(大変申し訳ないんですが、「映像美」とか「世界観」とかそんな大それた価値観持ちあわせていないので、単純に今年見て感動したもの5本あげます。)

 

5位/サカナクション新宝島

見ていると元気が出るよーーー!オリャー!

 単純にドリフのオープニングが大好きなんです。それだけです。
サカナクションたらミュージックビデオの人ですから、毎回面白くて当然。というハードルが上がっていてもなお、「裏切らない」ので、すごいなぁと。デジタルな人たちが表現するアナログへのオマージュを嫌味なく心地よく感じました。方々の無表情の横揺れもいいですよね。真似して横揺れしてると気分がアガります。踊れない人のダンスほど心踊るものはないです。
 
4位/Wonder Girls「I Feel You」
ハイレグでショルダーシンセサイザー弾いてるんだぜ!? クールだろ!?
80年代のキッチュでいかがわしい雰囲気に満ちていてとにかく趣味にドンピシャ!大好き!生まれ変わったらワンガになりたい!(嘘!アメリカデビューとか苦労しそうだからイヤ!)と、見ているだけでテンションの上がる1本です。ソネが抜け、ソヒが抜け、それだけでも不安なのに「バンドでカムバックします」と聞いたとき、我々の脳裏にはくっきりと「迷走」の二文字が去来したでしょう。「おい、大丈夫かよ餅ゴリ」と。でもフタ開けたら大丈夫だった。"大丈夫以上のもの"がそこにはあった。あっぱれです。やっぱJYPだなー!ってなる。よせたおっぱいを揺らしながらふてぶてしい顔でドラムスティックを操るユビンに痺れる。
 
3位/三代目 J Soul Brothers「Unfair World」

おかえり、紀里谷和明


三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE / Unfair World ...

だって私達はずっと紀里谷の帰りを待っていたじゃないか、と。映画撮ってボロクソに叩かれて、宇多田ヒカルと離婚して、我々の前から消えてしまった紀里谷。でもオタクは紀里谷の映像が好きなんだって。物語がどうとか、なんか映画論的なつまんないもので俺らの紀里谷を語らないでくれよ。生身の人間があの浮世離れした色彩の中に放り込まれるだけでドキドキするだろ!!!!紀里谷のナルシズムを可視化したような、あのマンガのような映像の世界観。好きだ。好きなんだ。
 
宇多田ヒカル「Keep Tryin'」(たぶんこれが宇多田MVの紀里谷作品の最後)、から9年。まさか、推しのMVによって再び紀里谷に出会えるなんて思ってもいなかった。「三代目推してて良かったじゃん!!!!(泣)」と半狂乱になりながら、公開日の朝5時まで眠れなかった。寝ずに見た。紀里谷節が炸裂で、そこに何の新しさもなかったが、それが嬉しかった。
 
「女の人の悲しみを表現」とかまた余計なメッセージが込められていて、お前ら(三代目7人+紀里谷)にそんなもの一生分かるわけないだろ、と思いつつ映像見るとやっぱり分かっていないんだけど、いいんだよ。女の悲しみなんか分からなくていいから、男同士で慰めあってくれ。
 
慰め合う7人。抱き合う2人の男を取り囲む5人の男。なんなの?ホモなの?ありがとう、紀里谷。いいものを見せてもらいました。世界でたった一人公式的に臣隆を抱き締めあわせた偉大なお人です。*1
 
2位/f(x) 4 Walls
痛みを力に変えるということは、こういうことです。
2015年のアイドルのMVで唯一涙が流れたのがこれです。見ていて涙がぼろぼろと出てきました。言葉にする能力がないのでとにかく「泣けた」としか言えないのが、悔しいのですが、圧倒的な喪失がMVからにじみ出ていました。「ソルリの脱退」というf(x)に実際に起こった喪失が、きちんとMVと曲に盛り込まれていた。
 
アイドルはよく脱退します。私は脱退者を出した時点でそのグループは失敗だと考えます。最初に考えた計画やコンセプトを遂行できないということを言葉で表すとするなら、「失敗」としか言いようが無い。けれど、その失敗を「自虐」でない方法で省みるには、正しく音楽やMVに盛り込んで、きちんと「物語の一部」にしていくことが一番いい方法なんじゃないかと思います。
 
韓国のアイドルはそれが上手い。ジェボムを失った2PMは「Without U(あなたなしで)」と言って立ち直り、JYJに裁判を起こされた東方神起「Why」と言って戦った。失敗と喪失を力にかえて、ちゃんとショーに還元するK-POPのアイドルたちのそんな逞しさが好きです。
 
1人の脱退者を出し、「4」を強調するようになった4人のf(x)は、それでも「あの時、もしもカップが割れなかったら」という未来を探していました。この相反する思いを生々しくなく、いたってさわやかに、軽やかに表現した傑作MVです。さわやかなほど、ポップなほど、浮き彫りになる寂しさに涙が出たのです。現実はMVの最後のように、「あの時」には戻れないですからね。割れたカップの前で我々は無力です。だからこそ、虚像の力が必要なんだと思う。エンターテイメントが"希望"であることを逆説的に教えてくれたMVでもあります。アイドルは物語を紡ぐ人だと思います。綺麗事を言う仕事だと思うのです。それを全うせんと歌い踊る現f(x)はとても正しい。
 
1位/三代目 J Soul Brothers 「Eeny, meeny, miny, moe!」
イイ男が仕立ての良いスーツを着てマイクスタンドを握る=最高
これを見たときの最初の感想は「勝った…!(ガッツポーズ)」でした。勝っていた、圧倒的に勝っていた。いい男が7人並んで、マイクスタンドを握るってだけでもうほとんど勝っていたのです。そこにある「シンプル」な格好良さに感動しました。
 
「シンプル」というのは難しいです。ややこしい世の中で、CDが売れなくて、でも歌手の数だけは多くて、みな、自分の音楽が大勢の中に埋まらないように工夫をこらしていくうちに、「シンプル」を武器にするのがとてもむずかしくなっているように思うのです。(音楽だけの話ではないですが。ネットが事をややこしくしているのが現代のように思えます)
 
そんな中で、「顔が良い、体が良い、売れている」そういう諸々の条件が揃ってこそ「シンプル」に立ち返ることのできた三代目の強さがこのMVから出まくっていました。
 
「顔のアップ」「各々のキャラクター性」「メンバー全員が集まったときの一体感」
アイドルのMVにあるべき要素の全部が入っていながら、野暮ったくならない。アイドル過ぎないしアーティスト過ぎない、絶妙なさじ加減に位置する三代目だからできたMVなんじゃないかと感じました。
 
今年の新年早々にこんなMVを公開され、「ああ…今年はきっと三代目以外には目移りできない年になるであろう…」と思っていたのですが、本当にその通り目移りできませんでした。今年は三代目一択。でもこのMVを見た人には、少なくともその理由が分かってもらえるんじゃないかと思うのです。こんなに推しが誇らしく思えるMVない。「7つの大罪」をモチーフに組み込み、7というメンバーの数にこだわった7人にしかできない表現は、脱退やら結婚やらに怯えて過ごすアイドルヲタにも勇気を与えてくれると思うのです。
 
特別賞/V6「Timeless」
アラフォーがこんだけ踊れるジャニーズ最高だな

Timeless-高清观看-腾讯视频(中国の動画サイトですあしからず)

曲、衣装、フリなにをとっても素晴らしい。これを見ながら「私はジャニヲタではなくV6ヲタであるんだな」と思いました。20周年を迎えたアラフォーアイドルの「終わらない夢」*2の説得力たるや。この説得力は、V6の20年が惰性ではないことをパフォーマンスで示しているからこそ力を持つものだなと感じました。まだこれだけきちんと歌って踊れている20年後なんて、1995年のデビューしたあの日誰が想像していたでしょう。

 
アイドルたちには脱退者を出しても結婚してもいいから「歌って踊ること」を諦めず続けてほしい。「歌って踊ること」に対して真摯でいてくれさえすれば、どんなことがあっても「アイドル」と「ファン」としていつまでも付き合っていけるのではないかと、そんなことを思うMVでした。
 
洋楽部門/Sia「Elastic Heart feat. Shia LaBeouf & Maddie Ziegler」
ナニコレ。
洋楽はほとんど聴かないですし、意味などはまったく分からないのですが、天才少女マディジーグラーちゃんにメロメロだよ!それだけ!
 

総評 

1位はどちらかというと「特別賞」とか「MVP」に近いです。このMVを作るタイミング*3とかも最高だったし、三代目を推しているのでどうしても三代目が一番になります。当たり前ですが客観じゃなくて主観です。
 
f(x)とワンガがとにかく良かったです。個人的にはK-POP女子のエロ路線も飽きたし、K-POP男子の化粧濃い感じも飽きているのですが、この二組はそういう「K-POPらしさ」に埋もれない個性が特に輝いて見えました。
 
あと紀里谷和明監督にはMV撮影を続けてほしいです。切に!

*1:YouTube版には一番大事な臣隆の抱擁が入っていない(憤)

*2:「Timeless」歌詞の一部です

*3:「R.Y.U.S.E.I.」のヒットを受けリリースしたアルバム「PLANET SEVEN」のリード曲として公開されました。後に出荷数100万枚を超えることに